クラシックギターのフォーラム
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OP35-17 〜Jazz屋から見たFernandoSor 2

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投稿  黒白・無外流 2010-08-10, 10:58 am

こんにちは。黒白です。OP6−8の余韻で少し感傷気味でしたが、次に思っていた表題「OP35-17」に移動したのでトピックを新しく作成させていただきます。前のは3Pにもなってしまったので。。。どうぞおつきあいください。 Surprised 。質問も大歓迎です。

■最初に・・・・・

この曲は調号D(ニ長調)ですが、大まかに言ってそうでないところが中間部全体を占めます。構成として(A)(B)(A)と言えば良いか。A-B-C-Aとも、もっと言えるかも知れませんが。軽快な中に巧妙に微妙に転調を繰り返しています。AメジャーであったりEmやDm、b系であるFMまで出てきます。

また面白いのは、メロディーについて来る低音部の規則正しい全体を通す躍動感。楽譜を眺めるだけども整然としてますね。でも乗って弾いても、ためてゆっくり弾いても美しさが際立ちます。Sorは和声だけでなくリズムへの苦慮も相当考えている良い曲なので、僕の中で次はこの曲になった訳です。

基本調号であるDメージャー=ニ長調のダイアトニックコードをまず最初に書いておきます。
DM7 Em7 F#m7 GM7 A7 Bm7 C#m7(b5)

Sorが規則的なリズムを巧みに使って、いかにここから転調など飛んで行くかが分かると思います。kyoさんが好きだと言うのもその辺の理由からなのかも知れませんね bounce

黒白・無外流

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投稿  kyo 2010-08-17, 2:14 pm

kyoです。
暑いです。先週は一週間出張でした。
いよいよ「OP35-17」がスタートしてワクワクしています。

ところで
最初に
<基本調号であるDメージャー=ニ長調のダイアトニックコードをまず最初に書いておきます。
DM7 Em7 F#m7 GM7 A7 Bm7 C#m7(b5)>
と書いてあったので、あわててダイアトニックコードって何だっけ?と調べた次第です。
(こんな初歩的なことも知らんで!とあきれないでください)

”ダイアトニックコードとはスケール上の音(7つ)全てをルート音にして、音を重ねたコードの事”、
こんな理解でOKですか?
クラシック・ギターではコードネームで音楽の構成を分析するという習慣がないので
(少なくとも私は学んだ覚えがないので)
初歩的な質問で申し訳ありません。

ところで
ニ長調のダイアトニックコードといえば
3和音の場合は
D  Em  F#m G A  Bm  C#m(b5)だと思うのですが
黒白さんは4和音のセブンスコードで表記しています。
これはジャズ特有のとらえ方なのでしょうか?
ジャズの楽譜を眺めているとやたらとセブンスコードが多いような気がして...。
あと、見なれない表記も多いです(読み方もわからない...)。

こんなおぼつかない状態ですが、何とか黒白さんの講義についていきますので
よろしくお願いします。
次を楽しみにしています。


kyo

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投稿  黒白・無外流 2010-08-17, 2:45 pm

kyoさんコンバンワ。立ち上げたものの、構想に悩んで弾き返しています。 って・・・言い訳かよって感じですね。

”ダイアトニックコードとはスケール上の音(7つ)全てをルート音にして、音を重ねたコードの事”、
こんな理解でOKですか?

これは日本の「悪しき音楽教育」でも出てきます。主和音、属音とかじゃ無かったでしたっけ。あれは・・・・・みんな音楽が嫌いになる訳だよなあと私見です。

ところで
ニ長調のダイアトニックコードといえば
3和音の場合は
D  Em  F#m G A  Bm  C#m(b5)だと思うのですが
黒白さんは4和音のセブンスコードで表記しています。

ジャズ特有かもしれませんが、Sorはそこの効果を完全に知っていたと思われます。ダイアトニックで分かり易いのはカルカッシでうね。聴いて弾いて、(・・・・あれ?Sorはなんか違う・・・)と言うのはそこです。そっか、、、そこを踏まえないと行けないと分かりました。序章は続きますよ。(笑)

こんなおぼつかない状態ですが、何とか黒白さんの講義についていきますので
よろしくお願いします。次を楽しみにしています。

講義とのほどの意味は無いんですよ。なんて言うか、あの時代にこれだけの音楽性は希有な存在で。それを教えてくれたこのフォーラムの感謝なんです。7thについてやテンションは僕も書き方が悪かったです Embarassed
質問どんどんください! Surprised

黒白・無外流

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投稿  黒白・無外流 2010-08-18, 2:38 am

序章〜3和音(トライアド)と4声和音について。

ニ長調のダイアトニックコードといえば
3和音の場合は
D  Em  F#m G A  Bm  C#m(b5)だと思うのですが
黒白さんは4和音のセブンスコードで表記しています。

kyoさんから、ここで、説明不足が分かったので、始める前に補足しておきます。この3和音のダイアトニックは全部合っていますね。ここにあるコードは「同列ではなく各個性を持っている」と言うのが大事です。クラシック用語は忘れましたが同じ意味です。

T(トニック)=D   〜代理は F#m Bm
SD(サブドミナント)=G   〜代理は Em
D(ドミナント)=A   〜代理はC#m(b5)だけれども特殊にしか使われない。

これはお手持ちの本に書かれてると思いますが、「じゃあなんなんだ?」って怒られても怖いので、投げるなら広末ちゃんか、チェジウかはるな愛ちゃんにしてください Evil or Very Mad 。大ファンはこのくらいなので投げるのは大歓迎です(笑)

さて、ここで、進行を考えてみましょう。1)T=D=T 2)T=SD=T 3)T=SD=D=Tと、大まかに分かれます。ここで重要なのは、「ドミナントからトニックへの解決」です。ドミナントには増4度(トライトーン)を含んでいると効果が倍増しますので、M3rdと7thの音をいれます。このキーの場合ドミナントは「A」ですからド#、ソが重要で「ド#はレ、ソはファ#に半音で解決、つまり主和音の「D」に見事解決。

「Dに半音で解決します」 ここ重要!

なので、多くの楽曲で臨時調号がつくのは「臨時ドミナント」によるトライトーンのものです。クラシックの古典の80%以上は言えるのではないかな。その他には、モード旋律法と言う技法がありますが、今は触れません。しかしSorの随所にはそのアプローチも見られ、新たな作曲法を常に模索していたと思われます。本来はドビュッシー以降に確立されたはずなんですが、ソルは既に感じ取っています。OP29n13などは一部そうです。

モード旋律法はいておいて、ダイアトニックに置ける解釈はほとんどの古典で解釈出来ます。ドミナントが4声で効果を発揮するのに対して、他の和声にも必ず4声があるのですから、全部4声まで覚えておくのは良いと思います。加えれば4声以上は「テンション」と言いますが、例えばセコビア2番は9thなどが実に効果的。

またマイナードミナントは、b9thのテンションが必ず当てはまるので効果的です。この曲では出て来るかな。。。ざ〜っと書きましたが分からなければ質問ください。ませませ。 bounce

黒白・無外流

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投稿  黒白・無外流 2010-08-18, 3:32 am

では気力が持つうちに。ちょっっとこの曲を良く見てみます。僕の持っているアルバムやいろいろなのではテンポ=80くらいで弾かれていますが、これをテンポ=40以下にしてみます。ここで、まず「!」と気付かれると思います。速く弾いてては全然分かりません。

全般を通してメロディーは先打音による8分音符でメロディーを先食いして小節の頭は付点4分音符。全篇に渡りその統制が取れていてさっと弾いてしまうと真価が分かりません。この曲の狙いは

リズムに工夫を凝らし、和声の動きを目立たなくし軽やかに聴かせる

意図があったのでは無いかと。転調もかなりあるのに、実にSorらしく見事なハーモニーとリズムの調和です。出来るだけ遅く弾いてみると深い音楽性が見えるはずです。このモチーフの連続性はOP6n8とは全く違い、音楽性の幅の広さを感じさせ、エッシャーの絵のようですね Shocked

    *

では序盤の1小節目から8小節目までいってみます。1拍目、3拍目で読んでください。
===============================
1  D  A7
2  D  D
3  G  E7/G#
4  Asus4   A
5  D  A7
6  Bm7    B7/A
7  G  A
8  D
===============================

注目は沢山ありますが、3小節目の3拍「E7/G#」。これが臨時ドミナントです。さらに転回系(分数コード)になって、低音部が半音でAに解決する。Emがダイアトニックであるのに「E7」になる。これは次のAに解決するためです。でもそのAもsus4のテンション付き。よく味わうと分かると思います。弾き流しては惜しい!

5小節目からは同じ繰り返しかと思いきや、6小節目でBmへ。トニックの代理です。A7を出しているのに、ここはSorの裏切りと言うか微妙な感覚で素晴らしい。 Surprised 。次にB7/Aが出てきますね。これは7小節目の1拍目をEmと考えれば、SDの代理ですから、一見自然ですが、巧妙に分からないようにしている、低音部も「B  A  G」ですから。ここでドEmを弾くとSorらしくなくなる。卓越してそぎ抜かれた選び抜かれた音です。

ここまででも素晴らしい発見があります。この曲はリズムでいかに和声を分散させているか、感じていただければ幸いです。実に低音、内声ともに素晴らしい。ここまでを「A」としておきます。この先はもっと凄いんでお楽しみです。モチベーションのためになんかコメントいただければ頑張ります(笑)怠け者なものなんで。

drunken

黒白・無外流

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投稿  kyo 2010-08-20, 9:15 am

kyoです。

手持ちの楽譜の8小節までコードネームを記入しました。
ポップスのギターアレンジ譜にはコードネームが書かれていることが多いですが
普通クラシック作品の楽譜にはコードネームは書かれていないので
何だか新鮮な感じです。
コードネームを付けると、和声の動きが感覚的に掴めますね。

さて
今回もよくわからない部分があるのでチェックです。
「Asus4とは3度の音(C#)を4度(D)に変えたもの」
こんな理解でOKでしょうか?

もうひとつ
7小節のAコードはソの音が入っているのでA7のような気がしますが
いかがでしょうか?

オススメに従ってテンポ=40でゆっくりと弾いてみると
メロディに対する分散和音の細かな変化による動きの美しさが実感されます、
理論的な理解は後回しにしても、今まで気づかなかったこの曲の素晴らしさを
再発見した次第です。
続きを楽しみにしています!




kyo

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投稿  黒白・無外流 2010-08-20, 11:11 am

kyoさん、反応ありがとうございます。なかなか孤独な作業で・・・続くには声援が必要で Embarassed

コードネームを付けると、和声の動きが感覚的に掴めますね。

そうですね。僕は畑違いから見ていますので、他の方がどう見ているか興味深いんですが。ここまでの8小節でもミクロマクロでマクロだと「物語を感じさせる」序章ですよね。譜面の一つの音符や技巧を眺めていると「物語が見えない」。ジャズの世界だとイントロも決まっていない訳ですが、どう「物語をはじめて行くか」難しいのです。そのところでSor大先生は実にストーリーテーラーの様で惹かれます。特にエチュード(もはや練習曲とは呼べない小品ですが・・・・)

美しい詩を読んでいるかのようです

「Asus4とは3度の音(C#)を4度(D)に変えたもの」こんな理解でOKでしょうか?

ここは、これで良いと思います。ただsus4と言うのは和声のキャラクターを決める「3rd」音を省くので、前後がはっきりしていればAと分かりますが、現代になるとココをキッカケにAmに行くとか手法がありますのでその位だけ覚えておけば良いと思います。

7小節のAコードはソの音が入っているのでA7のような気がしますがいかがでしょうか?

ごめんちゃい!入ってます!。そうそうA7で間違いない。ミスです、すみません。ここ、特にゆっくりにしても良いくらいのところですものね。ご指摘ありがとうございます。

オススメに従ってテンポ=40でゆっくりと弾いてみると
メロディに対する分散和音の細かな変化による動きの美しさが実感されます、

Remainさんがどっかで仰ってましたが、個別に弾く、歌う重要性があって、速く弾けても「音楽性を深める」にはこう言った方法はいいと思います。軽やかに弾くのとは「違った音楽性」が出現しますよね。よく言われるのことですが「名曲とは速くも遅くも弾いても名曲だ」と聞いた事があります。なので理論は後回しでも良いくらいですね。

なのでSorセゴビア1番の次はこの曲だったのです。気付いてくれて嬉しいな!踊っちゃおうかな!。呑んじゃおうかな!(笑)
What a Face

続きを楽しみにしています!

おおお!来た。ヨシ!暑いけど頑張るか。。。読んでる人ってkyoさんだけなのかなぁ。。。 bounce 。まあ、ココへの恩返し!自分のため!、怠けないよう続けます。

黒白・無外流

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投稿  黒白・無外流 2010-08-22, 5:02 pm

猛暑厳しいですね、なにもする気が起きませんがなんとかエアコンが効いてきました。少し頑張ります。

次は9小節目からです。一気に16小節目までと行きたいのですが、ここ徐々に凄いので今回は4小節、つまり9〜12小節目までです。先に和声(コード)を記してしまいます。

===============================
9  A/C#  B#dim
10  A/C#  A
11  Bm   E7
12  E7   A
===============================

ここで、ニ長調(DMaj)なのに、イ長調(AMaj)かのような動きを見せます。ここ凄くポイントでさらっと弾いてては分からないと思います。AMajのダイアトニックコードをあげてみます。

イ長調「AM7 Bm7 C#m7 DM7 E7 F#m7 G#m7(b5)」

まず9小節目。ニ長調であればドミナントのA(A7)になるものが分数コードで始まります。そこでパッシング・ディミニッシュでB#dimで一度出て10小節目にまた戻る。ここでAの和声の中で出たり入ったりと、ニ長調を上手に狂わせます。A/C#を冒頭に持って来て、一度出て戻る。そして10小節目の3拍「A」で着地。ここで明らかにイ長調にしてしまってる。ここが実にスムースに動いてますから気がつかない。

そこで曲のドラマチックな変化を意識させないまま、イ長調に移り、11小節目から確信犯的にしっかり!「Bm(IIm) E7(V7) A(I)」と見事に転調で解決しています。当然、臨時調号がG#につくのは、臨時ドミナントというか、移調のためです。

あまりにも見事なため、最初の8小節と意識しないで弾いてしまえばそのままですが、譜面には移調の調号も無いし、気付かないと違いが分からないままと言うことになります。ここはこれから続くめまぐるしい動きの助走になるのですが、それほど演奏者を錯覚させ、無意識に次の動きへ心の準備と言うべきか「A」で解決して、「いったん呼吸を整えて終える」訳です。凄い重要!。

これは、あくまでも想像ですが、17〜24小節が先に作曲されていたのかと思います。そこに、スムーズにつなげるために、その前段階に書いては消し書いては消しと。。。。A/C#とB#dimで錯覚させ徐々に色彩を変えて行く。ですので、ここは、「あとでいろいろ試行錯誤して書かれた」のではないかと。

この4小節に、どれだけの苦労があったのかと思うと、Sor大先生の功績は実に素晴らしいと思います。

cheers

黒白・無外流

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投稿  黒白・無外流 2010-10-10, 10:00 am

一ヶ月以上放置してました、、、すんません。記憶の遠くに彷徨って忘却してました。今回も短めですが、来週から出張しちゃうので、少しだけ進めます。

今日は13小節目から16小節目までいってみます。
================
13  A/C#  (Aaug/C#)
14  D    D#dim
15  A/E   E7
16  A
===================

弾いておられると、ここが好きな方もいるかと思います。僕も好きです。13~14小節にかけてメロディーが半音上昇で動くのも実にソルらしいです。よく考えられていて、ここの低音はC#を保ち、Aaugとする事で「A7(ドミナント化)」を避けている。通常の作曲ならついA7で逃げてしまうところを、半音移動を重要にしている場所です。

メロディーの半音進行は、調整を狂わせる感覚があるので、音価も長いし、この時代には冒険だったと思います。
そして、この半音は14小節目からは低音部に交代しまた一貫しています。D - D# - Eと、前半のメロディーに呼応する形でそって半音で進みます。

15小節目のE7で初めてギターの最低音Eを出し重量感を出し、次小節でAでこの部分を終わります。先回と続き、曲指定の調号は「D=ニ長調」なのですが、ソルはこの部分までA=イ長調に固執します。ここまでを先回の続きと合わせて、中盤と考えてもいいかと思う出来で、そして次の章にはめまぐるしい動きを見せるのですが、ここまでが実に良く効いているので全体的に奇異な感じをさせないところがまた凄い。

複雑な事を書くのは容易いんですが、決められた中でその中を練り込んで音を絞り込んで行くと言う作業に置いて、この部分は非常に音楽的によく出来ていると思います。ゆえにここが次からのめまぐるしい転調に呼吸を整える、音楽を整える雰囲気もあるのですが、この手法はジャズなどに置いても安易にドミナントで転調するので、ここまで考えてなく、実に新鮮です。派手さこそないものの苦労された力作の部分です。

出張から戻ったら続きを書きます〜。今日はこんなところで〜。すんません。


最終編集者 黒白・無外流 [ 2010-10-16, 10:06 am ], 編集回数 1 回 (Reason for editing : 小節番号間違えてました・・・・すんません。)

黒白・無外流

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投稿  黒白・無外流 2010-10-16, 10:57 am

出張と書いてて違った。夜間作業中でした。ちと起こされたんで久しぶりに書きます。

16小節目からですが、ここはめまぐるしく転調しているのですが、あまりにも見事な作曲なのでスムーズで違和感を感じないと思います。この曲が好きな方もここの部分がSorらしくて好きだと言う方も多いと思います。(反応があると嬉しいですが・・・)。

まずコード付けをいつもの様にしてみます。
================
17  F#m7(b5)
18  B7/D# (=D#dim)
19  Em   Gm/D
20  A7/C# 
21  Dm   A7/E
22  Dm(=FM7)  Dm9
23  BbM7   E7/B
24  A
================


この曲の指定の#2個のDMaijor(ニ長調)からいきなりぶっ飛んでいます。これの前までしつこくイ長調(AMaij)にこだわった理由が冒頭から現れます。

17小節目の冒頭は、コードに書いてしまえば表記になってしまいますが、メロディーの錯覚から考えると「D/F#」とも書けます。言うなれば共通音を使っているので違和感のない導入部になっている事に注目して欲しいところです。それを明らかにするのが3拍4拍目なのですが、「ドがナチュラル」のメロディになり、ここで決定づけるのですが、コードに馴染む方はAm/Eともとれるかも知れません。それでも良いのですが、この前の16小節目まで「A」だったのが、マイナーに変わっている訳です。

もちろんここは調性はAm(イ短調)ではなく他の意味でのAm(Emで出て来るAmの役割=F#m7(b5)と同じでトニックでない)で一気に転調に加速をかける効果があります。ただそこを強烈に感じさせない様に、音の重さを考えているところがSorの素晴らしいところで、やはり冒頭は6弦F#など多い音は使いません。オクターブ上の4弦にとる事で、音価は軽く次に移動しやすいですし、D/F#とも感じさせることも出来るし、

音楽的に過激な移動を好まずいかにスムーズに音楽性を持たせるか

実に素晴らしいです。ちなみにこのコード進行だけを弾いてみると分かるかと思います。分数コードの場所は無視して普通に弾けばかなり重い進行が聞こえて来ますが、メロディーはちゃんと聞こえると思います。

つまり、ここから音を絞り込んで・・・省いて・・・この部分を作ると言う部分は先に出来ていた気がするんですが、ヘバって来たので寝ます(笑)。他の作曲家であればコードで弾いた音とメロディをくっつけて終わり!だった気がするとSorの偉大さが分かる気がします。

お試しくだされ〜。 Surprised       @こくびゃく

黒白・無外流

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