テラ子物語（寺田楽器製作所製ビンテージ・ギター）

こんにちわ。

皆さんはこれまでどういう楽器をお使いでしたか。私は河野先代の70年作7号をかれこれ40年近く愛用してます。
といっても真面目に弾いてたのは半分も満たないかな。いつか「もっと上級器を買うぞ」と願いつつ果たせてま
せん。妻が「貴方が亡くなったら一緒に納棺してあげる」と脅かしてくれます。これは今時珍しい664ミリのロン
グ・スケールなんですが650との差は殆ど感じられません。但しロングは売る時不利ですよ。今は650が主流だから。

河野の前は色々使ってました。まずは父親譲りの戦前スズキ製。高校一年の冬バイトした金で初めてまともなのを
買いました。信濃楽器製で当時6,000円でした。これ二・三年使ったけど落とした時にヒールが割れちゃった。自
分で修理しても駄目。結局泣く泣く処分しました。次は茶位作の640ミリ。これは二年使って下取りしてもらい河
野を手にいれました。

あの頃中小楽器メーカーが結構ありましたね。その後自然淘汰と言うか消えて行った所も多い。信濃はヤマハに
吸収されました。その中で印象に残ってるのが寺田楽器です。割と良い楽器作ってて結構名前が通ってました。
50年代にクラギを作り始め60年代にフォーク・ブームでアコギに転じてその後はエレキ路線を取り今までも生き
残ってます。フェンダー、グレッチと言った有名エレキを作ったり、某大メーカーの下請けなんかもしてました。

面白いことに古いクラギが海外に結構出てるんです。本家の仲間でアメリカの山奥に住んでる姉さん、イギリス
のピアノ教師、最近ではイタリアのミラノにもファンがいます。欧州向けには El Torres なんてブランド使って
ます。私も一本欲しいなと思ってたところ珍品がヤフオクに上がりました。寺田ギターの創設者、寺田彦蔵氏の
銘入りトラ目なんです。

1,000円から始まったが私以外誰も応じなかったので私が取りました。面と胴、裏はトラ子よりも程度が良いです。
（トラ子はまだ親元から戻ってません。X-mas プレゼントになるかなと期待してますがどうやら越年しそうです
な。）まあこのテラ子は訳有りとは思ってましたがその通り。かなりの重症ですね。ネックを外そうとしたの酷く
どつかれて外れかかってます。何でこんな事したのか、楽器は生き物なのに。悲しくなると共に怒りを覚えました
よ。弦も逆巻きにしてある。ちょっと偏執狂じみた持ち主だったのかな。

修理に出しますが桜井師匠は筋が違うし、さりとて他に当てはありません。但し両親がまだ健在なのでまずは製造
元に画像を添えて頼んで見ます。以下テラ子の現状お見せ致します。












私、ウーパーの他にあちゃらでは Junk Master（ガラクタ王）でも通ってます。

工場を紹介してる記事がありました。　http://www.kenguitars.com/oyajinoyakata/vol19/vol19.html

それでは又
Whooper 拝

　ネックが浮いちゃっているんですか。
　隨分と打撃痕もありますから酷い扱いをされたみたいですね。
　表面板は何でしょうか。
　表面版・側版・裏版はしっかりしているようですので、
　問題はネックの挿げ替えでしょうか。もしかしたら他にも色々と故障箇所があるかもしれません。
　指版は紫檀かなんか使ってるのかな。
　とにかく、ちょっと大変そうですね。
　保存状態にもよりますが、修理してどの位の音が出るか未知数だと思います。
　でもしっかり修理したら、結構いけたりして。
　やってみないと解りませんから、頑張って下さいませ。
　

ありがとうございます。

随分と惨い仕打ちを受けてます。CGFUNさんじゃないが「悲しくてやり切れない」　表は松ですね。音穴から手
突っ込んで探りましたがダメージは棹位でしょうか。力木は裏板に横に三本。表は放射状に五本張ってますね。
全体に歪みや凹凸は感じられません。でもプロじゃないので詳しくは分かりません。やっぱり親元に送って見て
もらうの一番なので今手紙認めてました。出来るものならラミレスやハウザーが欲しいが和風純正ギターも味が
ありますからね。

それでは追ってご紹介致します。

Whooper 拝

こんばんは。

リサイクルショップや何かでかわいそうな楽器をみると片端から綺麗に磨いて弦を張ってやりたくなりますね。でも次々購入する訳にもいかないので、見なかった事にしちゃいますけど。

じぶんは、伯父さんが拾ってきたガットギターのバフリング浮きをボンドで貼り付けて、側面の穴を適当に塞いでやったことがあります。KAWAIの、多分廉価ものです。へー、カワイ楽器がギター作ってたことがあるんだ。まあもともとの程度が良くなさそうだし、残念ながら全然鳴らないままだったですけど。

ずっと以前に、ラコートのニヤリ君の親元、故水原さんの工房を尋ねたことがあります。水原さんはご自身も楽器をよくする方で、よもやま話をしながらギターを弾いていらっしゃいました。その時の楽器が、サイズはモダンなのに木ペグ仕様で、変わった楽器だなと思って尋ねてみると、ヘッドが折れていて「友達が捨てるって言ってたんだけど…　かわいそうだったからもらってきて直した」とのことでした。

まっこと、楽器は生き物であるよ。
ではでは。

こんにちわ。

X-mas 皆様方どうお過ごしですか？仏教徒だから関係ない？でもお祭り気分ではしゃいでらっしゃる？子供の頃
サンタさんのプレゼントを待ってましたね。本当は親父が買ってくれてたんですが。私は若い頃邪宗門だったから
この季節はX-masの意義なりを思い返しています。わが社はあちゃらの暦に従ってるので今日は休みなんですよ。
但し正月は元旦だけ休み。

さてさてテラ子なんですが朗報です。寺田楽器の方からメールを頂きまずは親元で身体検査する事になりました。
駄目かも知れませんが里帰りさせます。駄目なら寄贈するつもりです。明日から休暇に入られるので出発は正月明
けになります。

それでは又
Whooper 拝

　それは良かったですね。
　きっと里帰りしたら元気になると思いますよ。
　朗報が楽しみですね。
　お大事に～～！

こんにちわ。

寺子の出自が判明しました。

このギターはは昭和35年（1960年）頃作られたギターであると思われます。
約50年前のギターということになります。
このシリーズでは、「風・林・火・山」と4種類のガットギターがラインナップされていたようです。
当時の販売価格で
「風」 \12,000.-
「林」 \10,000.-
「火」 \8,000.-
「山」 \6,000.-
となっており、これは「林」ですので、上から2番目のグレードの物となります。
いずれにしても、当時で\10,000.-ですので、日本製としては高価な物であったと思われます。

そして予想通り修復も可能です。見立てて頂いた所、ネックの再接続、ブリッジの固定、ヘッドの割れ等一式直
して頂き代金は四万円です。この程度にして頂き真に有難い。やはり傷ついた子供は親元に預けるべきですね。
日数は二ヶ月程度。

その頃には虎子も桜井師匠の許から戻って来るから見事な虎が二匹になる。実は私と娘は虎年なんですよ。
「こいつは春から縁起がよかたい。」

それでは又順次ご紹介致します。
Whooper 拝

リペアーしていただけるとはありがたいですね。
費用もそれ程ではないのでよかったですね。
全快を心待ちにしております。

こんばんわ。

お待たせ致しました。寺子が生まれ変わって戻りました。



ネックもブリッジも完全に直りました。トップは塗り直して頂いてます。親元の寺田楽器さんに大感謝です。

ヤマハの件で音比べは御紹介しましたがどんな風に歌うのかと言えば、

Rivoal Valse: http://www.box.net/shared/qiiesjz9q5

Giuliani Etude #2 op. 100: http://www.box.net/shared/zyjyap3sik

Torna a Surriento: http://www.box.net/shared/7bq59x6ar5

河野と比べたら高音は色気ないですが低音も良く鳴るしバランスも良いです。今時メープルを使った楽器は特注
しないと手に入らないでしょうね。大事に可愛がってやります。

Whooper 拝