ARC:ソルやカルカッシなどのエチュードの楽譜

　ARCHIVE〔投稿者ＡＫさん〕
　情報を一つ。下記のサイトでソルやカルカッシのエチュード等の楽譜がダウンロードできます。
　http://www.hebeonline.com/misc/free.htm
　このページはTecla　Editionsのホームページからのリンクですから、版権に関する問題もないと思います。
　何よりもこれらの楽譜は、１９世紀ギター音楽の研究家でもあるBrian　Jeffery氏の校正・監修によるものなので、ほぼ原譜に近い形のものです（Jeffery氏のソルに関する有名な研究書"Fernando Sor, Composer and Guitarist"は日本語訳も出ています）。

　〔応答者ＴＳさん〕
　ソルの練習曲は、音楽的に随分と練習になります。
　いろいろな版が出ており、比べてみると、音が違っていたりします。
　原典に近いということで参考になります。
　〔応答者ＫＫさん〕
　ちょうど、Sorのエチュードの楽譜を探していたので、大変参考になりました。
　ありがとうございました。
　〔応答者ＴＴさん〕
　私は初心者ですが、ギター関連の情報を見て回っていると、ソルという方の音楽性やエチュード（練習曲）の評価が高いことが判りました。
　今やインターネット上に、たくさんの楽譜や情報がありますので、楽譜を入手するには困らないでしょうから、大変ありがたいです。
　このサイトに感謝です。
　現在、私はカルカッシのエチュードで練習しています。カルカッシも評価が高く、古くから練習に用いられているようですね。
　カルカッシの最初のページも、つまづき、つまづき、ながら練習に励んでいますので、いろんな練習を積みたいと思いますが、体がいくつあっても足りない気持ちです。
　ある程度、音符が読めるようになり、指も追いつくようになってきたら、ソルも試して見たいものです。
　〔応答者ＳＫさん〕
　私も先生から、ソルは音楽的に素晴らしいから練習曲を探すならソルを弾きなさいと言われました。
　〔応答者ＦＴさん〕
　情報がありがとうございます。現在京本さん編集した楽譜を使って練習中です。
　ソルの練習曲かなり難しいです。いまop６０の真ん中位で、やはり１６番以後は難しいです。
　その後、アグアドかコストの練習曲した上でソルのop31　op29　op6の順でスタートと考えています。

　〔応答者ＫＢさん〕
　別トピックでソルと言う方を知りたいと思っていたとこ見つけました！
　ソルはギターの技巧のみならず音楽性が素晴らしく独特なエッセンスの作曲方法を持っている感じです
　いろいろチョコマカとせわしない拙者ですが、今取り組んでいるOP29n13もBbキーながら前半はFで終止し、途中も匂わせるBb(9#11)〜リディアンも出てくる。
　この当時の中でこの色彩は多分聴衆を驚かせたと言うか不思議な匂いに驚いたんじゃないでしょうかね〜？
　有意義なリンク集ありがとうございました。タイムマシンからドイツへ感謝を込めて

　〔応答者Ｗさん〕
　皆さん、おはようございます。
　私が見つけたのはここ。
　　http://www.eythorsson.com/
　寒いIcelandのギタースクールが公開してて英・西・アイスランド語のページが見れます。英語版を覗くと教則、練習曲、独奏、二重奏、三重奏、四重奏等色々あってカルカッシ、ソルの練習曲はもとよりタレガや南米のバリオス等の楽譜が問題なくダウンロード出来ます。
　最近海外から投稿されたカルカッシの練習曲演奏を聴いて自分は若い頃何と機械的に無機質に弾いていたのか恥ずかしくなりました。ここから手に入れた古典派の巨匠達の練習曲を「ン十歳の手習い」で夜な夜な練習しております。Atakaさんお勧めのサイトにあるものと比べてみますね。
ありがとうございました。

　〔応答者Ｗさん〕
　大事なこと補足しておきますね。
　FAQ読むと
　「個人の使用に限る」とあり「販売、再配布は許可が要る。」
　「生徒にはフォトコピーを与えてもよい」
　「人前で弾いても良い。出来れば録音して送って欲しい」
　とありますからこの学校のご好意を尊重しましょうね。

　〔応答者Ｗさん〕
　〔投稿者ＡＫ〕さん、始めましておはようございます。
　と言うかそちらへは時差があるからGute Nachtの方が良いかな。最初〔ＡＲ〕さんと勘違いしてました。御免なさい。
それにスレ変に接木しちゃって済みません。
　ドイツへギター留学ですか。欧州はリュート音楽の資産があるから奥深いですね。
　仏人でサイトの主催者、Declampさんの教材見てもリュート系の作が多いですね。欧州の奏者では地味ですけどコンラート・ラゴスニックなんて好きでした。
　さてIcelandのeythorsson先生ってどう発音するんでしょうか？アイソールソン、イソルソン?それともイストールソン、アイトルソン？人名・地名等固有名詞は特殊な読み方が多いからアイス版としますね。貴方のはTCLA版としましょうか。両者比べて見ました。
　一例はCarcassi作25の練習曲作品60から第三番のイ長調アルペジオ。これはギターらしい曲で好きな作品です。全体にやハラかーく、やハラかーく流れるように弾きながらメロデイー紡ぐの結構難しいです。
　アイス版の方は速度記号, Andantino 「歩く速さより少し速く」がまずあって左指のフレット・ポジションと押弦順は書いてありますが味は全然付いてません。生徒や教室の自主性に任せる趣旨でしょうか。
　TCLA版はフレット・ポジションと押弦順もより親切ですね。セーハはGrand barreと書いてあるし半セーハないしセーヒリアだっけ、はBarreと書いてある。それに強弱記号、pf, cres. pp　<sf >等が付いてるので何より表情が付け易いです。
　それとこの前投稿のあった一つ前の二番イ短調アルペジオ。四分の四拍子で１６部音符が四つ、二つで一区切りかな。後の山は前から引き継いだ最高音を四回鳴らすようになってますね。ここの運指ですが最初アイス盤で弾いてたらハタと考え込んでしまった。右指の指定はありません。
　「昔フッるーいフッるーいカルカッシ教本で練習した筈だぞ。一体どういう風に弾いてたんだろう？」「うーん」と唸って倒れこんでしまった。
　弦に一番近い指で弾くのが正解だろうと思い、p i m a - m a m a としてました。手掛かりを求めてＴＣＬＡ盤の方でBrian Jeffery先生の指南書
　　http://www.hebeonline.com/authors/carca ... mindiv.htm
　を読んで見ると「右手の薬指（ring finger）は使わない」と書いてあり、作曲者は二指、i m の練習用に作曲したとある。更にカルカッシは p p m i - i m i mと弾き、ソルや私なら p p m i - p i p i と弾くと書いてある。
　げっ！一弦を p i p i とやるのか、と暫し絶句。確かにソルは三指、p i m をメインにしてましたね。古典派は今風のフォークやジャズで多用されるThree Finger Play に受け継がれてるんでしょうね。
　新しい発見と言うか今までズボラしてたのばれちゃいました。

　〔応答者Ｗさん〕
　英語版の方で　Carcassi's Op. 60　のスレにカキコがあったようなのでご紹介しますね。
　元々各作品の運指を尋ねる趣旨だったのが今は三番が発端でうーじゃら、くーじゃらが続いててどんどん本来の趣旨からWarpして行ってます。
　本来の質問に最初ある人が答えて

No.1 walking with I M would be fine for much of it, or P A M I M I M I for the first bar etc. but don't close doors on posibilities.
No.2 P I M A M I M A is good or P I M A M I M I
No.3 P I M A I M A I M P I M
No.4 P I M A_M A_M A_M
No.5 has plenty of possibilities P I P I or P A P A or better yet P I P M etc.

　と投げたら、別の人がBrian Jeffery先生の指南書
　http://www.hebeonline.com/authors/carca ... mindiv.htm
　を読めと薦めてます。私が知りたいのは　
　>> それとこの前投稿のあった一つ前の二番イ短調アルペジオ。
　の右指の運指です。sxedio氏投稿のNo. 2 は「私たちのMP3 レベル6 - Our mp3s level 6」にあります。但し音だけ。
　私は　Brian Jeffery先生に習ってp p m i - i m i m で練習してますがどなたか一番良い運使教えて頂けませんか。
　いっその事、奏者のsxedio氏に聞いて見ませうか。

　〔応答者ＡＴさん〕
　Op.60 は楽譜を持ってます。持ってるだけなんですけど。全音楽譜出版社の「カルカッシ　２５のエチュード」溝淵 浩五郎編　です。
　そこでは No.2 の運指は「pimamama」になっています。解説には「pimamamaの形を終止一貫し、美しく続けること」とあります。
　今、ちょっとだけ自分で弾いてみた感想としては、弾きやすさでは「ppimimim」で、練習効果のためには、「pimamama」が良さそうでした。練習効果というのは、例えば、maのリズム、音量、音質などを揃える、といったことです。Whooperさんの書かれた「ppmiimim」は、相当に難しいですね。
　どれが一番良いかは、目的次第なんでしょうが、Op.60 が想定しているレベルの人の練習効果という意味では、やはり「pimamama」が良いような気がします。「気がします」程度であって、確信も自信も何もありません。どうなんでしょうね？
　「ppmiimim」はさらに上を目指すような運指かな、という気もします。

　〔応答者Ｗさん〕
　>> そこでは No.2 の運指は「pimamama」になっています。解説には「pimamamaの形を終止一貫し、美しく続けること」とあります。

　そうなんですよ。私もこの運指で憶えたと思うんですね。　けれども、「私たちのMP3 レベル6 - Our mp3s level 6　sxedio on 2008年228日(木) 04:29」　を聞いて、音だけですが、こげな風に弾くのか俺は一体基礎は出来てたのか？と反省した次第。色々正調を探してたのです。

>> 「ppmiimim」はさらに上を目指すような運指かな、という気もします。

　これは「何でこげな裏使いせなアカンの？」と思いつつシコシコやってます。三指のアルペジオ(pim)でも慣れれば自分流に（pma)何てやってましたから「古典派的運指」と諦めてさらいます。
　溝渕浩五郎氏の楽譜ですか。「最も教えよく、最も学びよい　改訂版カルカッシ教則本」全音楽譜出版社が書架にあって定価500円となってます。奥付を見るとお持ちのは「カルカッシ25のエチュード Op.25(解説・改訂　溝渕浩五郎　中級）」かな。懐かしいな。
　「溝渕信子　主催　東京古典ギター協会　生徒募集」　なんて書いてある。
　嗚呼俺も行きたかったや東京へ。
　有難うございました。

　〔応答者ＫＢさん〕
　僕もPimaでやってました。「ppmiimim」 。これかなり難しいです。i-iは物理的に無理？があるようだし意味がないのでは・・・・・・・　　　　　「ppmimimi」なら分かる気がするんですけどねー 。
　別トッピクで書いたように指定がない譜面を皆さんがどのようにトライしているか知りたいです、ホント。
　ソルのOp29ｎ13は左手は良いのですが右手はどれが良いのかなぁ・・・アルペジオの集合体アメーバ のような、それでいて美しい。。。低音（音符上向き）はｐで後はimaや考えられる指定を自分で書いて忠実にやってますが新しい運指が出てきたらまた考えます、トホホ。
　逆向け出血多量ｗｗｗ

　〔応答者ＳＧさん〕
　私は最近知ったサイトで、楽譜いっぱいダウンロードしてます！カルカッシやタルレガ、ソルはもちろんあります！
　TABつきで、自動的に音も流れるから、他の譜面だけダウンロードとかより、かなり進歩していると思うのだけれどなー！
　興味あれば、話しましょ！
　〔応答者ＫＢさん〕
　いっぱいいろんなサイトがある様ですね。
　知りたいのはカルカッシは今取り組んでいますが、ソルのEtude(Segovia編）はとても難しいということ。
　ですので、とてもこれだけで時間が足りずタレルガまで行けません 。難易度というか、各作曲家のエチュードの順番（つまりカルカッシの何番をやったらソルの何番をもやってみる）などの指標が欲しく思います 。
　なにとぞお願いつかまつるw

　〔応答者ＡＴさん〕
　私のイメージとしては、
　カルカッシ２５　：　これをある程度弾けたら中級は卒業
　ソル２０（セゴビア）　：　上級
　ですね。
　カルカッシもソルも上記以外の練習曲が山のようにあって、もっと易しい曲もたくさんあります。ソルの場合はOp.の番号が若い程に難しい、同一Opの中では順次難しくなっていく、という感じです。
　昔の現代ギターの増刊「ソル　エチュードの全て」には、ソルのエチュード全てについて、初級、中級、上級の区別をしているので、参考になります。これは現代ギターのサイトで手に入るはずです。古本なみの外観でしょうけど（経験者談）。
　セゴビア編の２０が難しいなら（同感です）、個人的な好みではありますが、Op.35の17, 22 なんかはいかがでしょうか（セゴビア編に含まれていたかどうか、覚えてませんけど）？　この２曲は中級レベルだと思いますが、綺麗な曲なのでモチベーション高く取り組めると思います。（後で補足：Op.35の17, 22はセゴビア編の２０に含まれてますね。でも、Op6-12とかに比べたら、ずっと楽です）
　また、このフォーラムでダウンロード出来る楽譜に含まれているエチュードを、レベル別に見たら、およその難易度の順番がわかると思います。カルカッシやソルの他にもカルリやコストなどもありますし。

　〔応答者ＫＢさん〕
　「ソルのエチュードのすべて」なんて本があるのですね。。。おおおぉぉぉ・・・。
　何となく非常にソルが気になるのは前に書いたタネンバウムさんのCDでセゴビア編20番まであるんですが、とてもユニークな美しい感覚を持っていた作曲家だと言う事です。なんていうかな・・・最初の一番なんかクラスターも使った非常に練られた小品で美しい・・・・・。
　番号が大きい程、初心者向けですか、ありがとうございます 。でもまた夜中現場なので今日は大人しく今までの曲をさらってまた仕事にいこうと思います。ありがとうございました。今回の現場が終わる2週後が楽しみですw。

　〔応答者ＡＴさん〕
　http://www.gendaiguitar.com/dev_shoping ... 48e358032c
　ここに「ソル　エチュードのすべて」が載ってます。
　「品切れ」になってしまってますが、つい最近までGGショップ店頭に実物があったのは確認してますので、多分、まだあると思うんですが・・・　今度の日曜に顔を出すと思うので、確認出来たらお知らせします。本当に品切れでしたら申し訳ありません。
　楽譜は29曲分付いています。

Op.6 - 1, 2, 3, 6, 8, 9, 11, 12
Op.29 - 13, 14, 17, 22, 23
Op.31 - 10, 14, 16, 19, 20, 21, 22, 23
Op.35 - 13, 14, 16, 17, 19, 21, 22
Op.60 - 25

　ただし、Op.6, Op.29 の各曲には運指が付いていません。この本は、楽譜としてよりも、上記ページに目次がありますが、読み物として面白いと思います。「ソルのエチュードの音楽的特徴」の記事は、黒白さんのスイートスポットかもしれません。和声やメロディ、ベースについて、かなり事細かに検証していますよ。

　〔応答者ＫＢさん〕
　”ここに「ソル　エチュードのすべて」が載ってます。”
　うを？！凄い本です。やはりあの作曲技法にはなんらかのマジックがあるとしか思えないと思ったら研究している人がいるんですね。それも特集になっている、Takagiさんありがとうございます 。
”本当に品切れでしたら申し訳ありません。”
　いえいえ、とんでもないです 。復刻の熱〜いリクエストE-mail送りますから♪。この本の存在を教えて頂いてホント感謝です。
”和声やメロディ、ベースについて、かなり事細かに検証していますよ。”
　あの抑制の効いた曲づくりがたまらないなぁ・・・・・。やはり気になっている研究者がいるんだ 。。。非常に気になって来ました。ところでまた質問の様になってしまいますが演奏家の録音（つまりCDなど）でソルの様々な作品に挑戦したものは残っているのでしょうか？。NAXOSとかで地道に効くしか無いのかな？。。。たんにヒーリングミュージックとして聞いてもとても癒されます 。こうなんと言うか心の病がほぐれて行く感覚です（訳の分かんないこと書いてごめんなさい ）

　〔応答者ＡＴさん〕
　ソルの曲をダブりなく広く聞くのであれば、やはりNAXOSのCDが一番良いと思います。ソル全集みたいな感じで揃っていて、20枚近くあるんじゃないでしょうか（数えたことないです）。
　ただ、まだ全集としては完成していませんし（Op.6, Op-29 は入ってないはず）、ギタリストを選ぶことも出来ませんが（でも一流どころばかりのようです）、安く早く広く、ならNAXOSに勝るものはないんじゃないかと思います。

　〔応答者ＡＴさん〕
　ということで、現代ギター社のGGショップで「ソル　エチュードのすべて」を確認して来ました。確認のために行ったわけじゃないですけど。
　はい、店頭には「ソル　エチュードのすべて」は４冊ありました。2,000円（税別）です。GGショップの通販サイトでは「品切れ」ですが、ショップには置いてあるので、電話などで問い合わせれば、来店出来ない方でも入手は可能になるのではないかと思います。

　〔応答者ＫＢさん〕
　ありがとうございます！ 。今日は久しぶりに仕事から解放されたのでレッスン生を終えたら問い合わせて購入させてもらいたいと思います。感謝感激雨あられです 。
　読んだら感想をまた載せますね
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　おかげさまで「ソル　エチュードのすべて」！手にして読んで1週間くらいになってます。御礼が遅くなりましてすみません。
　分析のページはクラシック独特の解釈手法？があってまだ良くわかっていないのですが、例えばSegoviaNo1も対位法で書かれているというのを、納得！。その対位法もずっと宿題のまま本を閉まったままだったので出したりいろいろ新鮮です。
　OP60のエチュード集もiTuneでNaxosのものを買って聞いてます。さすが晩年期の円熟さもあって、音の選び方、音価の持たせ方、拍子のモチーフなど改めてSorの素晴らしさを感じます。あぁ。もっと前に知っておけば良かったと悔やみますが、言っても始まらないので、今後この増刊号は宝物になるほどのものです！
　ありがとうございました。まずはこの場をお借りして略儀ながらお礼まで。

　〔投稿者ＡＫさん〕
　〔応答者Ｗ〕様
　せっかくレスしていただいたのに、返事が出来なくてごめんなさい。最近忙しくて、ちょっとこのページからも遠ざかりぎみでした。私がドイツにいるのは仕事の関係でして、特にギターとは関係ありません。ギターはあくまでも趣味です（結構はまってはいますが）。
　コンラート・ラゴスニック、いましたね。ペーター・シュライアーと一緒にシューベルトの「美しき水車小屋の娘」のLPを持っていましたが絶品でした（ｃｄで再発されているのかな・・・）。
　ところで、ソルの曲に関してソル自身は特定のアルペジオパターンを除いては基本的にpimの３本のみで演奏していたと、彼自身が著したメソッドに書いています。また、ソルは爪を使わず、指頭奏法を用いていたこともこの中に書かれています。これは恐らくリュートの奏法を彼のギター演奏法の基本においているためではないかと（私は）考えています。この場合、スケールなどもimではなくpiで弾く所謂フィゲタ奏法が用いられているのではないでしょうか（実際、以前セルシェルが「魔笛の主題・・・」のときに、スケールを全てpiで弾いていました）。
　ただ誤解を招きやすいのは、pimの３本指使用や指頭奏法はあくまでもソル個人の演奏法であって、１９世紀のギターメソッド全般がそうであったわけではありません。例えばジュリアーニのメソッドを見てみると積極的にaを使用していますし、ジュリアーニは爪を使用していたような痕跡があります（ミケーリ・ロレンツォの書いた論文より抜粋）。また、アグアドははっきりと爪を使用したという記録があります（ソルはアグアドと仲が良かったが、これだけは認められなかったらしい）。
　こうした観点から見直すと、ソルの曲は彼自身の演奏法に従って演奏するのが一番自然な響きになるのかもしれません（所謂「ピリオド奏法」ということか？）。しかし、そうなるとaの指や爪を多用する現代奏法に対しては、ソルの練習曲は（テクニカルな点で）不十分ということになるかもしれません。その意味では、ジュリアーニやアグアドの練習曲の方が現代の演奏法に通じるものがあるような気がします。特にこの後者二人の練習曲集は曲の美しさから言っても決してソルに劣るものでは無いと思いますし、もう少し見直されても良いような気がします。
　ところで、Tecla版のカルカッシの２５のエチュードの前書きでブライアン・ジェフェリーが「このエチュード集は基本的に全てpimで弾ける」と述べていますが、私自身はこの意見に懐疑的です。先に述べたように同時代においてaの使用は他のメソッドでは認められていましたし、その方がカルカッシを弾く場合には自然なような気がします。

　〔応答者Ｗさん〕
　わざわざお返事ありがとうございます。このフォーラムは本家フランスじゃなくてドイツに縁のある方が多いですね。私もラテン文化圏よりもドイツ文化圏の方が性に合ってます。
　お書きになられてること、全くその通りです。私も色々読んだり実際に弾いたりして結論めいたものに達しました。ｿﾙの親友でありながら対極に位置したディオニシオ・アグアドの教本、奏法や作品を実際に弾いてみると良く分かります。アグアドは爪もa 指も使っています。アグアドのエチュードは渋いですね。ソルは『』付きの古典派と言わねばなりません。
　ソルがドイツ文化圏のリュート奏法を継承し和声法的な作風を確立したのに対し、アグアドはラテン圏の五弦ギターから進化した今風のギター奏法と旋律を重視した作風を確立しました。二人はその後どうなったか？ソルの作品は次第に出版社から疎んじられるようになっただけでなく奏法自体も遠ざけられるようになってしまいました。アグアド流儀はアルカスを経てタレガに引き継がれたと思います。
　ソルの奏法は骨董品なんでしょうか？そうは思いません。仰るように作品を運指通りに弾いてみると良く分かります。但し今風の運指になってる版も多いのは確かですが。例えば晩年不遇だったソルが書いた作品60の練習曲はソルの奏法と作風の精髄だと思います。無駄な音も無駄な運指もない。作品＃5、a-moll なんて実に良くソル自身の生涯を現していると思います。
　ジュリアーニのエチュード作品100はツライですね。何曲かは若い頃覚えたのですが今再度取り組んでます。進む内に段段シャープの数が増えてくるかと思ったら力技の連続だったりで24曲の内、どうしても弾き易いものを選んでしまう。まだまだ修行が足りません。
　以前皆様にお尋ねしたカルカッシの作品60、二番の通称「タカタカ」、a-moll に関する運指は pima – mimi で落ち着きました。英語版の方でjounis　氏の Crazy Project、全24曲奏破の良いお手本があって誰かが運指を尋ねたらご本人は mimi と答えてます。これが一番自然かな。と言うより私に合ってます。
　ドイツからのお便り有難うございました。取り留めない私見お許し下さい。