クラシックとフラメンコのコンサートは久々だ

そういえば今年はまだどこへも音を聴きに出かけていない．

昨年は２月には沖仁とかで近場の相模原へ行ったり，トマティートが来日して東京で２日間の
連続講演をやはり２月にすみだトリフォニーでやったりで，あちこち出かけていたのだが，
今年は気分的に引っ込み傾向があるのか，単に億劫になっているのか，ともかく出かけていない．

今日の時点ではそうなのだが，今週末からはちょっと動きが出てくるようだ．
まず今度の日曜日（２２日），新潟へ池袋からバスでバヒュ～ンと新潟まで行き，ギターの
調べ（クラシックですぞ）を聴いて又バヒュ～ンと東京まで戻ってくる．
片道５時間ちょっと，往復で１０時間半くらいのバス旅，元々バスは好きなので苦にならないが．
携帯音源や気になる譜面など持って行けば，あっという間の時間だ（．．．多分）．

翌週の日曜（２９日）には，ビクトル・モンヘ・セラ・ニートが来日，日本の現代若手最大のホープ，
沖仁と草月ホールで二人で演奏を行う．
このコンサート何故か公演名タイトルは「逢坂　剛」，あの直木賞作家の逢坂氏になっている．
もっとも昨年の１１月の先行予約時のタイトルだからかも知れないが．
というのは企画したのが逢坂氏なのかどうか定かではないが，逢坂氏が企画，音頭とりで
成功した昨年の「カディスの赤い星～ギターコンサート」で，沖仁，住田政男，村治佳織，などが
集まったように，今回も司会，進行は逢坂氏がやるみたいなのだ（これも伝聞）．

セラ・ニートと言えば，沖仁が２０代そこそこの頃，単独西国行きしたとき，唯一，右も左もわから
ない，行き当たりバッタリの彼に耳を貸し，ある意味師匠になってくれた御大である．
あのパコ（デ・ルシア）が有名になる前までは，早弾きといえばこの御大がまず思い浮かぶ時代
だった（そうだ．．．．後から聞いた．．．）．

自分が聞き始めた頃は，サビーカスとかサンルーカル，パコ，他数名程度しか一般的には
レコードとして入手出来なかったこともあり，今の時代の音源の豊富さは本当に幸せだと思う．
サビーカス以前のいわゆる古典と呼ばれる時代と，フラメンコをあまり知らない人でも一度はその
名前を耳にしたことがあるのではと思われるサビーカスとパコの２大著名スーパースター．
その間，二人の時代の間にも幾多の名プレーヤと演奏があり，たとえ演奏者が亡くなってもその
音源は今なら手に入る時代になった．

フラメンコは歌伴奏，踊り伴奏，いろいろあるが，特にギター独奏，合奏ではファルセータとアドリブが
全てだ，譜面通りに弾くということは全く存在しない．
そもそも譜面など基本的に存在しない，あるとすればメモ，記憶つなぎ程度の意味でしか本来は
ない．
演奏者自体も若い頃から次第に歳を経るに連れて，当然ながらその演奏の中身も変わってくる．
しかしその人独自のもの，”あの人らしい”と称されるファルセータは独特であり，何といっても
その人の作曲したテーマ，モチーフみたいなものだから，何十年と経っても現れるし，他の演奏者の
ファルセータだって勿論出てきたりする．
文化，音楽の財産とでも言うのか，古来の伝統もの，また著名プレーヤのものを取り込み，模倣し，
自分のモノへと発展させ，成熟，成功させ，後輩たちにまた伝えていく．
そんな所がとってもライブでいい．

もう成熟しきって，晩年と言ってもいいのかも知れないセラ・ニート，でもまだまだ元気．
どんな演奏をしてくれるか楽しみで楽しみで，今からドキドキなのだ．
勿論，沖仁，彼も師匠御大とのバトルを激しくやってくれるだろう．

CONNA

　いつもお世話様です。　お忙しい中、お出かけされるのも大変だと思いますが
　是非レポートなどお聞かせ願えればありがたいと思います。
　気を付けて行ってらして下さいませ。
　ではでは。

この間のコンサートの模様は，今月２５日（土）にＢＳジャパン（テレビ東京系ＢＳチャンネル）で
午後９：００から放送されるそうです．
コンサートの感想など，書きこみしよかと思いつつ，でも見た方が一番判りよいし，いくら書いても
中々伝わり難いものがあるなと（実は言葉を捜すのがメンドクサイというのが本音なんだが．．．）
結局，そのまんまでありました．
もし，録画やテレビの前に時間がとれるかたは是非見ることをお勧めします．
（私は爆弾企画で当日不在なんで録画して行きますが．．．．）

一部より二部の二人のコラボの方が断然いいかなと，当日は思いましたが，改めて見るとさてどうか．
二人の掛け合いは，当然，台本なしなんですが，相手を気遣うしぐさ，視線のやりとりがとてもいいです．
私は司会の逢坂さんの目の前のステージ前２列目にいました．　丁度いい位置でした．

さて，今日はそのときの沖仁が武蔵中原（エポックなかはら），明日は向丘遊園（多摩市民会館）で
連続公演をやります．
どちらも極めて近所なので行ってきます．
彼はステージが始まるまで曲をあんまり固定していないのですが，今日，明日，あまりかぶらない
ことを期待しつつ，行ってきます．

ＣＯＮＮＡ

沖仁さんの公演は如何でしたか。

１４，１５の連続公演の感想などちょこっと書いてみたいと思います．
どちらも川崎市，しかも福祉ホール，多摩市民館ホールという公的，福祉的意味合いの
強い性格を帯びた施設会場であったのか，高齢者の方がかなり目立ちました．
去年の今頃の相模グリーンホール，秋の複数回行った新宿オペラシティ内の近江楽堂でも
今回ほど高齢者は目立った記憶にありません．

川崎市民，多摩方面はフラメンコ好きのジッチャン，バッチャンが多いのだろか？
そんなことはないと思いますが，しかし不思議な光景でした．
会場規模はどちらもやく９００人強，当然これくらいになるとステージでＰＡ使うのだけど，
１４日の方は最前列の中央からやや左よりだったため，左のスピーカが気になり，ちょいと
不満足も１５日は真正面最前列でこれは良かったです．

演奏は１部，２部とも同じパンフだったので曲目も一緒なんだけど，１部，２部ともに１４日の
方が無難な平均的にノッタ演奏だったと思う．
編成は彼プラス，ギター，カンテ，パルマの合計４名．
１部はオーソドックスな曲でソロがメイン，２部はオリジナル主体で合奏がメイン．
２日めこそ１部の初めはノリがイマイチなのか曲目を急遽変えたりしながら，徐々にノリを
創っていった感じです．
両日とも２部の合奏は中々よく，特に多摩市民ホールの方は聴衆がノリやすいというか，
かなり声掛けがあり，その意味でも演奏者も気合入っていくのが判りました．

沖仁，彼の凄いところは演奏は勿論なんですが，オリジナル創作の面で日本の先輩は勿論，
同世代，さらに若手を含めても彼ほど曲を生み出せる演奏者はいないんじゃないかと自分は
思っております．
若い頃，クラシックギター留学で渡米していてふと聴いたビセンテ・アミーゴ．
それ以来，彼はフラメンコの方へと向う訳ですが，当時のビセンテはスペインでも急先鋒とも
言えるオリジナリティ溢れる若者でした．
思えばそういったオリジナリティ，従来にはない斬新さ，創造性みたいなもんに共通して
惹かれたのかも知れません．
今後もっともっと成長するでしょうし，どんな音楽，曲を発表してくれるか楽しみです．

ＣＯＮＮＡ