マスタークラス
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マスタークラス
こんにちわ、
マスタークラスで指導を受けた経験あるいはマスタークラスを聴講した経験のある人もいるのではないでしょうか。
そのような、経験をここで共有してはどうでしょうか。
もう1年以上も前の古い経験ですが、ロスアンゼルスのロヨラ大学で、ゾーラン・ドキックのマスタクラスを聴講する機会がありました。
ゾーラン・ドキック(ドキッチと発音するのが正しいかもしれませんが、私の場合、原則として英語スペルからの表音としています)は、クロアチア出身の天才ギターリストで、クラシックギターのコンテストで20回以上優勝しており、優勝回数が最も多いギターリストです。東ヨーロッパを拠点としていたためか、あちこちで優勝してもなかなか仕事が入らず、賞金稼ぎを続ける必要があったのでしょう。
ゾーランは、マスタクラスで、非常に多くのアドバイスを学生に与えていましたが、そのうちのユニークと思われる(他のマスタクラスではあまり聞かなかった)ものを下にまとめます(すでに私のブログに書いたもので二番煎じですが悪しからず)。
(1)手を開く方向(ラスギアード方向)への指のエクササイズは指の高速動作をするために重要であり、右手のみでなく(これは結構やられているようですが)、左手もすべきである。
(2)右手の小指は使わないかもしれないが、薬指に対する独立性を高めるべきであり、そのためのエクササイズをすべきである(ゾーランは薬指と小指の交互運動を示す)。
(3)(セゴビアのフィンガリングをそのまま使用している受講生に対し)あなたの左手のサイズや幅や形はセゴビアと同じですか?フィンガリング(運指)とは、自分がどのような音楽を表現したいかと自己の身体的な特徴(左手のサイズや形など)を加味して、自分独自のものを自身で作るものである。他人のフィンガリングを考えもせずに真似してはならない。特にセゴビアのフィンガリングやフレージングにはおかしなものが多いので、真似をすべきではない。
(4)(右手の不安定な受講生に対し)どんなに速い演奏であっても、右指はアタック(発弦)の前にかならず弦にプランティング(弦に触れて待機している状態)していなければならない。このためには、スローモーションのような超低速で意識を集中して練習をする必要がある。先にプランティングしてからアタックすることを常に意識しそれを実際に確認しながら、徐々に速度を上げるという練習が必要である。
(5)聴取者の前で演奏する際には、単に指の動きだけで音楽を表現するのではなく、ボディランゲージも使うべきだ。CDを聞きに来ているのではないのだから。表情、視線、上体の動き、なども加えて、総合としてのパーフォーマンスをすべきである。
マスタークラスで指導を受けた経験あるいはマスタークラスを聴講した経験のある人もいるのではないでしょうか。
そのような、経験をここで共有してはどうでしょうか。
もう1年以上も前の古い経験ですが、ロスアンゼルスのロヨラ大学で、ゾーラン・ドキックのマスタクラスを聴講する機会がありました。
ゾーラン・ドキック(ドキッチと発音するのが正しいかもしれませんが、私の場合、原則として英語スペルからの表音としています)は、クロアチア出身の天才ギターリストで、クラシックギターのコンテストで20回以上優勝しており、優勝回数が最も多いギターリストです。東ヨーロッパを拠点としていたためか、あちこちで優勝してもなかなか仕事が入らず、賞金稼ぎを続ける必要があったのでしょう。
ゾーランは、マスタクラスで、非常に多くのアドバイスを学生に与えていましたが、そのうちのユニークと思われる(他のマスタクラスではあまり聞かなかった)ものを下にまとめます(すでに私のブログに書いたもので二番煎じですが悪しからず)。
(1)手を開く方向(ラスギアード方向)への指のエクササイズは指の高速動作をするために重要であり、右手のみでなく(これは結構やられているようですが)、左手もすべきである。
(2)右手の小指は使わないかもしれないが、薬指に対する独立性を高めるべきであり、そのためのエクササイズをすべきである(ゾーランは薬指と小指の交互運動を示す)。
(3)(セゴビアのフィンガリングをそのまま使用している受講生に対し)あなたの左手のサイズや幅や形はセゴビアと同じですか?フィンガリング(運指)とは、自分がどのような音楽を表現したいかと自己の身体的な特徴(左手のサイズや形など)を加味して、自分独自のものを自身で作るものである。他人のフィンガリングを考えもせずに真似してはならない。特にセゴビアのフィンガリングやフレージングにはおかしなものが多いので、真似をすべきではない。
(4)(右手の不安定な受講生に対し)どんなに速い演奏であっても、右指はアタック(発弦)の前にかならず弦にプランティング(弦に触れて待機している状態)していなければならない。このためには、スローモーションのような超低速で意識を集中して練習をする必要がある。先にプランティングしてからアタックすることを常に意識しそれを実際に確認しながら、徐々に速度を上げるという練習が必要である。
(5)聴取者の前で演奏する際には、単に指の動きだけで音楽を表現するのではなく、ボディランゲージも使うべきだ。CDを聞きに来ているのではないのだから。表情、視線、上体の動き、なども加えて、総合としてのパーフォーマンスをすべきである。
yasuo- 投稿数 : 42
所在地(Location) : 南カリフォルニア(southern California)
Registration date : 2008/11/22
師匠の教え
yasuoさんありがとうございます。
そうですね、マスタークラスのような講義に参加して学んだ事や
マイスターの教えを共有する事は、とてもためになると思います。
中には、師匠から教えを受けている方もいると思いますので
是非、ご紹介していただきたいと思います。
独学の人で、誰にも教えを乞えない方には金言となるかもしれませんね。
皆様よろしくお願いいたします。
そうですね、マスタークラスのような講義に参加して学んだ事や
マイスターの教えを共有する事は、とてもためになると思います。
中には、師匠から教えを受けている方もいると思いますので
是非、ご紹介していただきたいと思います。
独学の人で、誰にも教えを乞えない方には金言となるかもしれませんね。
皆様よろしくお願いいたします。
Re: マスタークラス
その後どなたもレスがないので
yasuoさんがご紹介くださった
ゾーランさんの指導項目について
私なりの解釈を加えてみたいと思います。
(1)手を開く方向への指のエクササイズは両手ともすべき。
ごもっともです。「握る」と「開く」は一対の動作と考えるべきでしょう。
右手だけではなく左手に於いても指の訓練は必要であり、
両手のバランスをとる為にも両手へのエクササイズは有効だと思います。
(2)右手の小指は薬指に対する独立性を高めるべきであり、そのためのエクササイズをすべきである(薬指と小指の交互運動)。
ごもっともです。薬指と小指は本来独立運動しにくい構造になっています。
ゆえに薬指の動きと小指の動きは密接な関連があります。
という事は、小指の訓練により薬指の動きも改善します。
ちなみに私は小指も弾弦に使用する事があります(訓練として)。
例えば和音で5音以上同時発音する場合
通常ですと親指が2本弦以上の複数の発音を担当しますがこれですと完全な同時発音になりません。
5音の同時発音の場合は最高音の音を小指で弾くことによって
5つの音を同時発音する事が可能になります。
小指の爪も手入れする必要がありますが良い練習になりますよ。
ピアノなどでは小指は一番大切な指です(最高音と最低音を担当するので)。
ギターでも左右の小指の訓練はキーポイントとなると考えます。
(3)フィンガリング(運指)とは、自分がどのような音楽を表現したいか、と自己の身体的な特徴(左手のサイズや形など)を加味して、
自分独自のものを自身で作るものである。他人のフィンガリングを考えもせずに真似してはならない。
仰る通りです。
補足しますと、人間は人の模倣をする事で発達・成長する事も事実です。
はじめから確固たる信念で独自の運指を開発できる人間などおりません。
ですので真似をしても良いのです。でもそれを唯一無二の絶対のものと思ってはいけません。
何故その運指なのか、何故そのように弾くのか、何故そういう表現をするのかを常に考え
必然性を分析し、本当にそれが最善なのかを自分の力で導き出す努力をするべきでしょう。
それでなければ、自分の音楽を表現する事など決してできないといえます。
ですので、セゴビアのフィンガリングやフレージングは、セゴビアのものであって
貴方の物では無いということを前提に、そこから何を学んでいくかということが大切なのだと思います。
(4)どんなに速い演奏であっても、右指はアタック(発弦)の前にかならず弦にプランティングする。
賛成です。プランティングの習慣をつけることで、右手のポジションと弾弦が安定します。
これは発音(音質)の安定にもつながります。また右指の素早い動きにも、指がバタバタせずに済みます。
プランティングは初心者の時からしっかりと覚えるべき(指導すべき)と考えます。
プランティングの練習は右手を自在に使用する訓練となりますし、
消音にも利用できますから必須の練習方法だと考えます。
(5)聴取者の前で演奏する際には、単に指の動きだけで音楽を表現するのではなく、ボディランゲージも使うべきだ。
これは当然な事だといえます。
音楽を表現するという事は、己の内面を如何に音として表現するかという事です。
人間は表情や体の動きが、感情と密接に関連しています。
当然、音楽に感情移入する事は、顔の表情と体の動きをともなうのです。
ですのでこれが全くない演奏はある意味表現力に欠けると言えるかもしれません。
逆に、顔の表情と体の動きが、音楽表現を助長してくれるという面も見逃してはなりません。
また敢えて大袈裟な表情や体の使い方をする事によって、より深い感情移入が可能になるということもあります。
音楽を体全体で表現する習慣をつける事は、貴方の音楽性を成長させる一つの方法だといえるでしょう。
以上、私なりの解釈と補足を加えさせて頂きました。
yasuoさんがご紹介くださった
ゾーランさんの指導項目について
私なりの解釈を加えてみたいと思います。
(1)手を開く方向への指のエクササイズは両手ともすべき。
ごもっともです。「握る」と「開く」は一対の動作と考えるべきでしょう。
右手だけではなく左手に於いても指の訓練は必要であり、
両手のバランスをとる為にも両手へのエクササイズは有効だと思います。
(2)右手の小指は薬指に対する独立性を高めるべきであり、そのためのエクササイズをすべきである(薬指と小指の交互運動)。
ごもっともです。薬指と小指は本来独立運動しにくい構造になっています。
ゆえに薬指の動きと小指の動きは密接な関連があります。
という事は、小指の訓練により薬指の動きも改善します。
ちなみに私は小指も弾弦に使用する事があります(訓練として)。
例えば和音で5音以上同時発音する場合
通常ですと親指が2本弦以上の複数の発音を担当しますがこれですと完全な同時発音になりません。
5音の同時発音の場合は最高音の音を小指で弾くことによって
5つの音を同時発音する事が可能になります。
小指の爪も手入れする必要がありますが良い練習になりますよ。
ピアノなどでは小指は一番大切な指です(最高音と最低音を担当するので)。
ギターでも左右の小指の訓練はキーポイントとなると考えます。
(3)フィンガリング(運指)とは、自分がどのような音楽を表現したいか、と自己の身体的な特徴(左手のサイズや形など)を加味して、
自分独自のものを自身で作るものである。他人のフィンガリングを考えもせずに真似してはならない。
仰る通りです。
補足しますと、人間は人の模倣をする事で発達・成長する事も事実です。
はじめから確固たる信念で独自の運指を開発できる人間などおりません。
ですので真似をしても良いのです。でもそれを唯一無二の絶対のものと思ってはいけません。
何故その運指なのか、何故そのように弾くのか、何故そういう表現をするのかを常に考え
必然性を分析し、本当にそれが最善なのかを自分の力で導き出す努力をするべきでしょう。
それでなければ、自分の音楽を表現する事など決してできないといえます。
ですので、セゴビアのフィンガリングやフレージングは、セゴビアのものであって
貴方の物では無いということを前提に、そこから何を学んでいくかということが大切なのだと思います。
(4)どんなに速い演奏であっても、右指はアタック(発弦)の前にかならず弦にプランティングする。
賛成です。プランティングの習慣をつけることで、右手のポジションと弾弦が安定します。
これは発音(音質)の安定にもつながります。また右指の素早い動きにも、指がバタバタせずに済みます。
プランティングは初心者の時からしっかりと覚えるべき(指導すべき)と考えます。
プランティングの練習は右手を自在に使用する訓練となりますし、
消音にも利用できますから必須の練習方法だと考えます。
(5)聴取者の前で演奏する際には、単に指の動きだけで音楽を表現するのではなく、ボディランゲージも使うべきだ。
これは当然な事だといえます。
音楽を表現するという事は、己の内面を如何に音として表現するかという事です。
人間は表情や体の動きが、感情と密接に関連しています。
当然、音楽に感情移入する事は、顔の表情と体の動きをともなうのです。
ですのでこれが全くない演奏はある意味表現力に欠けると言えるかもしれません。
逆に、顔の表情と体の動きが、音楽表現を助長してくれるという面も見逃してはなりません。
また敢えて大袈裟な表情や体の使い方をする事によって、より深い感情移入が可能になるということもあります。
音楽を体全体で表現する習慣をつける事は、貴方の音楽性を成長させる一つの方法だといえるでしょう。
以上、私なりの解釈と補足を加えさせて頂きました。
大変貴重な情報をありがとうございます。
非常に参考になりました。
超低速で練習することについて、以前太極拳で習ったことをいろいろ考えていました。太極拳はご存知のようにゆっくり動くわけですが、実践であんなのんびりやるわけではないのですね。ゆっくりやることで、細かい身体のギアを調整して正確に動作できるように訓練する一つの方法らしいんです。早い練習ばかりするとこの細かいギアがふっとんでしまって、しまいにできたことが出来なくなるという経験もしました。
人間の運動能力と脳というのは、どうもそんな風にできているところがあるんですね。
超低速で練習することについて、以前太極拳で習ったことをいろいろ考えていました。太極拳はご存知のようにゆっくり動くわけですが、実践であんなのんびりやるわけではないのですね。ゆっくりやることで、細かい身体のギアを調整して正確に動作できるように訓練する一つの方法らしいんです。早い練習ばかりするとこの細かいギアがふっとんでしまって、しまいにできたことが出来なくなるという経験もしました。
人間の運動能力と脳というのは、どうもそんな風にできているところがあるんですね。
弾きこもり- 投稿数 : 29
Registration date : 2010/03/26
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