ＡＲＣ：右手運指の意味と練習法

　ＡＲＣＨＩＶＥ〔投稿者ＨＭさん〕原題：右手の指指定

　気になっていたのですが、右手の指の使い方も左手同様、何かの決まり、効率等があって練習本などに書いてるのでしょうか？
　つい、i指で弾いてしまったりするもので、指定通りに弾くのが難しいのと覚えるのが大変なのですが、指定通りに弾くメリットは何なのかご存知の方おられましたら教えて下さい。
　i指から入ったり、m指から入ったりする曲があって決まりがありそうで、中々見いだせないでいます

　〔応答者ＫＭさん〕

　右手の指定についてお悩みとのことですが、一応は書かれたことを守るようにした方がよいのではと考えます。特に教則本などの技術の習得を目的にしたものはそうするべきです。
　右手にも本来の機能的にやりやすい指使いとそうでないものがあり、やりやすいことばかりやっているとその逆に対応できなくなるおそれがあるからです。
　例えば、ハ長調の音階をひくときに右手を二本の指を交互にする（im,mi,ma,am,ia,ai）と弦をまたぐとき、上昇・下降ともに親指に近い指が低音側にあるほうが楽ですが、実際の曲ではそういう指使いだけで弾けるとはかぎりませんので、色々な指使いに対応できるように練習されたほうがよいわけです。（自分で運指を考えられるようになると、色々な可能性を考えますが、それもある程度どのような指使いにも対応できるようになっているという前提があるからです）
　とはいえ、左手同様右手も楽譜の編著者というか運指をつける人がどこまで考えているかという問題もあります。
　どうしてこんな運指がついているのか理解に苦しむものがあるかと思えば、イエペス編のソルの練習曲集のように左右ともに綿密に考えられた運指が詳細についているものもあります。
　それぞれの指にはそれぞれの個性がありますが、それをうまく利用することと、あえて均質な音を求めることのバランスをうまくとることが大事ですね。

　〔投稿者ＨＭさん〕

　早速の書き込みありがとうございます。
　なるほどと思うことばかりでとてもすっきりしてきています。
　〔応答者ＫＭ〕さんがおっしゃる「イエペス編のソルの練習曲集」をネットで探してみたのですが、なかなか見つかりませんでした。
　差し支えなければ、その本の正式なタイトル教えていただけないでしょうか？
　よろしくお願いいたします。
　貴重な書き込みありがとうございました。

　<後日タイトル他が判明したとのことです>

　〔応答者ＫＵさん〕

　”つい、i指で弾いてしまったりするもので、指定通りに弾くのが難しいのと覚えるのが大変なのですが”
　自分もつい i 指で、で最終的にそっちで暗譜しちゃってるとか結構あります…。
　自分で満足いく音で弾けてる限りは、覚えるのが難しくて嫌になるくらいならいっそ気にしなくてもいいんではないかと、自分では割り切ってるんですが。
　”i指から入ったり、m指から入ったりする曲があって決まりがありそうで”
　でも分からないながら指定通りにしてみたら、ほぼ９割方、なる程、て思うんですよね。なぜでしょうか。
　不思議です ^_^;。

　〔応答者ＧＫさん〕

　ところで右手が運指どおりに、なかなか思うように動いてくれません。
　練習はしてますがなにかよい練習方法がありませんかね。

　〔応答者Ｋ１さん〕

　右手の練習っといっても「アルペジオ」、「和音」等様々あると思います。
　一つ和音といっても通常ですと全弦の力加減が均等の大きさのものからメロディと伴奏が重なっているフレーズですと各弦の強弱が異なる場合があります。
　私も全てを基礎練で補っているわけではないので、あまり言えませんがアルペジオですと、ヴィラロボスのエチュード1番、もしくはソルのエチュードのエチュード２，５番あたりでしょうか。
　和音で一番最初に練習した曲はソルのエチュードの１番でした。
　私の場合、サンバースト等を弾くときに和音での各弦の力加減やアルペジオを意識することが大きいです。
　まあ要するに基礎練がめんどくさくてしてないだけですが（笑）
　参考になればと思います。失礼しました。

　〔応答者ＨＩさん〕

　クラシックギターを始めて１０ヶ月くらいです。
　レベルの低い話かも知れませんけど、私の場合です。
　ジュリアーニの右手の練習曲で結構練習しました。全部で１２０曲もあるので、つまみ食いですが、結構良かったです。
　ちょっと難しい曲でも、続けていると不思議と出来るようになるもので、そうやって、ちょっとずつ難しい曲に挑戦しました。
　曲とは言っても、色々な右指のパターンを使った短いフレーズの繰り返しなので、電車の中とかでも、気楽に反復練習できますよ。

　〔応答者ＲＩさん〕

　　右手の訓練と言うことですが、〔応答者ＧＫ〕さんの詳しい状態がわからないので一般論ですが書いておきます。
　〔応答者ＧＫ〕さんは３年位のキャリアがあると言うことですので
　そこそこは動くのだと思いますが早いパッセージやアルペジオをしっかり弾くにはやはりそれなりの練習が必要になりますよね。
　基本的なことですがまずは日頃から手のストレッチや開いたり閉じたりと言う事をやっておくと良いでしょう。ストレッチは故障を防止する事にもなります。
　それとフォームやタッチを適正化すること。
　これは手の自由度をあげる事が主眼です。親指のフォームやタッチによっては他の指の運動を阻害する事が考えられます。
　又各指のタッチ（爪の形や長さ及び指の角度や深さ他）によっても指にかかる負担が変りますので、これも自由度の阻害になりえます。
　しかしながら指の自由度と音質は比例しませんので良い音質を得るために敢えて負担の多いタッチを選択する場合もありえますが。
　さて、適正なフォームとタッチの上で、右手の練習を行う場合ですがやはり速い動きや複雑な指使いを安定して行うには親指を中心とした手のポジショニングが重要となります。
　その上で指の動きを最小にする事。プランティング手法なども有効です。
　これができているのであれば、後は各指のバランスをとりながら独立性と速さを追求する事になります。
　ｐ指、imの訓練、ma指の訓練等々、全指によるアルペジオや和音等など。
　夫々にそれ用の練習曲等がありますので色々とお探しになると良いでしょう。
　例えばアグアド、ジュリアーニ、カルカッシはアルペジオ中心の練習曲が多々ありますしソル、コストは和声進行が綺麗な練習曲がたくさんあります。
　タルレガの練習曲などにも早いスケールや和声進行の美しい曲がたくさんありますしこれ以外の作者にもたくさんの有効な曲があります。
　と言うことで、まずはご自分の指の動きで何処が問題なのかを分析した上で、適正な練習曲を毎日しっかり弾き込む事が大切だと思います。
　私の場合ですと毎日２時間くらいは色々な練習曲を弾きかえしています。
　又どの練習曲も完璧に弾きこなす（理想的な音楽的表現を得る）には相当な熟練が必要だと思っています。
　と言うことで、上手くなるには、やはりちゃんとしたフォームとタッチで毎日弾き込む事が一番。
　実際に楽器を弾けない場合でも頭の中で指を動かす（イメージトレーニング）こと。指のケアを怠らない事。
　と言うことですね。これで退行（下手に逆戻り）を少しでも抑えます。
　以上思いつくままで申し訳ありませんが長い一言でした。