バロックでの重音の鳴らし方

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バロックでの重音の鳴らし方

投稿  弾きこもり on 2010-05-16, 7:50 pm

 バロック、特にバッハについての演奏方法を悩んでいます。これは多分ギターでバッハを弾く際にどのように弾くかという根本的な問題があると思いますが、ご意見いただければ幸いです。
 基本的に私はできるだけ正確にテンポをとってあまり抑揚をつけずに演奏したものが好きで、セゴビアよりもウイリアムズの弾き方が大変気にいっていました。これはたぶんギター以前にバッハのオルガン曲や管弦楽曲を聴いていたせいもあるのかもしれません。ギターに限らずカザルスのチェロや、バイオリンのこってりとした抑揚をつけたバッハはあまり聴けませんでした。音楽史の本を読むとカザルス、セゴビアの世代の弦楽器奏者はバッハに帰れといってもまだロマン派的にバッハを弾いていしまうという傾向があったともいわれていますが、ピアノやオルガンの鍵盤楽器の奏者は抑揚をつけていなかったように思います。ピアノのギーゼキングのバッハは抑揚をあまりつけずに譜面どおり弾く典型だといわれ、イエペスはこのギーゼキングについたことがあったようです。
 ところがです。自分でバイオリンPartitanr1のサラバンドを練習し始めると。出だしから悲哀のこもった感情たっぷりの旋律が現れます。さすがにテンポを揺らすのは好きではありませんが、どうしても音をずらしてアルペジオ風に和音を鳴らしてしまう。トロミたっぷりの中華丼になってしまう。

 現在のバイオリンは4音を同時にたっぷりとは出せないために、音を分けて出します。そして擦弦している間たっぷりと音が出ます。感情の訴えが持続する感じがあります。ところがこれをギターで同時和音で出すと、音の減衰が甚だしいのと、和音によってメロディがどうしても幾分聞き取りにくくなります。(まあ技術の問題もありますが・・)  それでどうしてもサラバンドのようなゆっくりした曲では和音を崩してアルペジオ風に弾いてしまいます。どの部分を崩してどの部分を一気に発音させるかは多分演奏者の解釈とかのりによるのでしょうが、これについてのべられたものをあまりみつけることが出来ませんでした。
 ただバイオリンやチェロではこの和音を同時に出せないというのはかなり問題にはなったことはあるようです。というのも、バロック時代のバイオリンなどでは構造が違って四音同時に弾いていたのではないかともいわれているからです。厳密には結論はでていないようですが、オルガン奏者であったシュバイツアーはこだわって現代のバイオリンでも四音同時で弾くべきだと主張してバッハ弓という特殊な弓を考案したそうです。この案がもとになってつくられた弓で弾かれたシャコンヌの演奏が今日でも聴けます。批判もあるようですが、悪くはないと思います。[url=http://www.nicovideo.jp/watch/nm3782114]
しかしこれは先にも書いたように音を引っ張れる擦弦楽器だからこそいいのであって、撥弦楽器であるギターでこれをあまり厳格にやってしまうとサラバンドのような曲ではあっさりしすぎてしまうというか、じわっと感情を出したいところを、ポーンポーンと出していかなければならないようになってしまいます。それはそれで演奏として成り立つでしょうが、バイオリンと弾き比べをしたらギターの特性を生かすことなく明らかに見劣りしてしまいます。(実はバイオリン奏者に聞いてもらう予定があるのです。)
 私がこんなことを悩むのは実はバロックを弾くときには和音を崩さず・・・というギター教育の方針もあるときいたからなのです。これはおそらくギーゼキングやシュバイツアーのような鍵盤楽器の流派の考え方がはいってきているのではないかと思います。セゴビアだったら笑うでしょうけど。
 ということで、30年目に再開した一曲目のサラバンドのしかも出だしで躓いています。


最終編集者 弾きこもり [ 2010-05-17, 4:39 pm ], 編集回数 1 回
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Re: バロックでの重音の鳴らし方

投稿  whooper on 2010-05-17, 5:50 am

おはようございます。

弾きこもりさんは難しいこと書くな。バッハですがソロ曲、平均律、無伴奏チェロ、バイオリン等は二十世紀
の境目は教則の類とされて演奏会で弾かれる事はなかったと聞いてます。おっしゃるようにこの頃の演奏家は
ロマン派の名残が強くルパートを多用してます。「酔っ払いの演奏」と言う酷評もありますがそれはそれで完
結してるから良いんでしょう。

ワルター・ギーゼキングなんて渋いですね。私が音楽を聴き始めた頃は有力レーベルでケンプ、バックハウス
と共にドイツ楽壇を代表してました。カザルス先生なしにはバッハの音楽を語れないですね。生涯無伴奏チェ
ロを研鑽された。先生も多分にロマン派の流れを受け継いでられるが水墨画の世界見たいで大好きです。他に
聞いたのではピエール・フルニエ、フランス人でコルシカ総督の末裔。優雅典麗だけど軟いです。変り種はヤ
ーノシュ・シュタルケル、ハンガリー系ユダヤ人でアメリカ在住。堤剛さんの師匠です。この人はゴリゴリ鳴
らす。

バイオリンの無伴奏ソナタ・パルテイータでは両極端知ってます。まずはヨーゼフ・シゲッテイ。Neue
Sachlichkeit ”新即物主義”の第一人者と呼ばれてます。これは何かっていうとロマン派の行き過ぎに対する
反動な訳で原点、楽譜に忠実に演奏する、に戻る試みでした。音はムチャムチャ汚くてシャコンヌの和音でも
グワー、グワーとアルペジオ風に鳴らす。ド迫力のまるで大鉈のようです。でもコンチェルトやると凄いです
よ。現代作曲家を紹介したことでも功績があります。

もう一人はヘンリク・シェリング。ポーランド系でメキシコに住んでました。この人のシャコンヌは剃刀みた
いで和音も和音ですよ。棹の低い方を鳴らしてるんでしょうがオルガンのように聞こえます。BWV1004無伴奏
バイオリン・パルテイータのレコードは私の宝ですね。でもコンチェルトは端正すぎてまるで駄目。後ギドン・
クレーメルと言った若手、今じゃそうでもないか、も弾いてるようですがシェリングを越える演奏は聴いた覚え
がありません。と自分が思い込んでるだけかな。

肝心の私のバッハですが若い頃は弾き飛ばしてました。今はまだ敢えてやりません。やるとしてもシゲッテイ先
生の教えを守るでしょう。

参考にならんですよね。与太に流れて御免なさい。

Whooper 拝


最終編集者 whooper [ 2010-05-17, 6:59 pm ], 編集回数 1 回
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Re: バロックでの重音の鳴らし方

投稿  弾きこもり on 2010-05-17, 5:37 pm

Whooper様

 ありがとうございます。そんなに詳しいわけではないのですがシェリングの名前は調べていて、自分の目指すところかなあと思いつつCDで無伴奏バイオリン全曲を買ってしまいました。その晩は寝不足になりました。極端な抑揚がないながらも味があり、テンポがその曲のよさを十分出していると感じました。ちょうど京都の料理は薄味だけど、本来の具の味を生かしている・・・みたいな。この方の奏でるスピードは心地よい。ギターで弾くときもこの方の速度を参考にしたいと思いました。





 
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Re: バロックでの重音の鳴らし方

投稿  whooper on 2010-05-18, 6:05 am

こんにちわ。

シェリングはご存知だったんですね。それは何より。ウーパー起立脱帽。まあ無伴奏の理想的な演奏だから聴く価値は十二分
にありますよね。シャコンヌに入るまで舞曲を連ねて行くのが良いんだな。最後に真打登場って仕立てでしょうか。ギター版では
若い頃のジョン・ウイリアムスが鮮烈でした。弾きこもりさんのBach 期待してます。

それでは又
Whooper 拝
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Re: バロックでの重音の鳴らし方

投稿  弾きこもり on 2010-06-19, 11:23 pm

 鍵盤楽器とひとくくりに書いてしまいましたが、あとでチェンバロ奏者にきいたところによると、チェンバロでは和音を同時に出すと鋭くなりすぎるため和音を崩してアルペジオ風に弾くことが多いそうです。その奏者は95%くらい和音は崩して弾くとのことでした。悲哀のこもった引きずるようなサラバンドのことも伺ったところ、やはりギターやチェンバロなどの楽器にとって、「哀愁や悲哀の感情は、アルペジオなしでは、表現不可能なのではないでしょうか。 」というお答えでした。
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Re: バロックでの重音の鳴らし方

投稿  giuseppe on 2010-11-21, 5:43 am

弾きこもりさん
私はギターは独学ですが、室内楽をチェンバロ奏者(Emilia Fadini)に習ったので、同感です。
Emilia 先生は世界的なScarlatti の研究者、演奏者で、彼女の演奏はバロック音楽の解釈の手がかりになると思います。ノンセクションでリンクを載せたトピック(バロック音楽は…)を投稿したので、参考に見て(聴いて)いただけるでしょうか。重要な点は、ロマンチックの自由とバロックの自由には大きな違いがあることです。

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Re: バロックでの重音の鳴らし方

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